【クロストーク】ナガサワ文具センター x エモジ
創業1882年の老舗文具店であり、「KobeINK物語」などのオリジナルヒット商品を生み出すナガサワ文具センターの裏川さんと、空掘商店街に世界中からファンが集まるコアな紙雑貨店を開いているエモジの早馬さん。共に関西でイベントで一緒することも多い2社が、今回はFRATでビジネス向け展示会に挑戦します。二人の出会いからこれからのビジネスに対する思いまで、小売店という立場、メーカーという立場で熱く語り合っていただきました。(聞き手〜ロンド工房、荒川)
二人の出会いについて
–いきなり出会いの話を始めましたね
–2人の出会い。文具BARじゃないですか?
–そんな2人の対談でございます。
早馬さんの自己紹介
–そんな早馬さん、自己紹介をしてもらっていいですか。
–自社の商品でイチオシのものはありますか?お店やったらオリジナルノートの話などでもいいですよ。
–6年前の開店当時からやってるんですか?日本でも早い方ですよね。
–そういうオリジナルノート作りが好評なんですね。
–フラットにかける思いを教えてください。
貨と文具の間をいくみたいな。どこまで認知して店頭に置いてもらえるのかっていうのが、どこまで今、自分の思っているのが通用するのかみたいなね。
–今はまだダメです(笑)。自己紹介パートが終わった後にゆっくり語り合ってください。 次、裏川さん、自己紹介お願いします。会社の事業の紹介から。
裏川さんの自己紹介
–ナガサワブランドの紹介もお願いできますか?
やっぱり小売りから生まれた商品なんで、自分のお店で売るための部分で一番初めにスタートしてしまってるというのがあって、もちろん値段の部分もそうなんですけど、そこを自分なりに考えて、早くメーカーになりたいって思ってて。
やっぱり私たちは小売りなんですよ、ずっとスタンスや値段の考え方が。そうじゃないって部分を勉強して、事業というか。荒川さんにはちょこっとお話ししていたのですが、会社を作りたいなという風には思ってて。中から飛び出すとかそういうんじゃなくて、今の中のところからちょっと飛び出してやっていきたいっていう1つのきっかけになればと思っております。真面目やな俺?
–これ書かない方がいいですよね。書いてもいいんですか?
–分かりました。了解です。
お互いの印象
–相手の会社の印象を教えてください。。まず、裏川さんから。さっきの話の続きになっちゃうと思うんですけど。
初めはめくる感じであって、表紙を選べてできるこの楽しさは、文具BARで初めて拝見して、絶対くるって思ってました。今後、この波 くるわって思ってましたね。
やっぱりカスタマイズする部分て凄く感じてたところがあって。チョイス式、筆記具のコレトとかお客様が好きな物を選んで自分らしくカスタマイズできるっていうのが面白いっていうのは凄く思いました。
お客様の反応を見たときに、暗いBARの中やったんですけど、僕の中では確信に変わりましたね。一番初めの準備というか、表紙どれにしようかなっていう時間のかかり方がむっちゃ面白くてですね。すっと選んでしまうんじゃなくて、迷いがある中で最終的に自分が選んだっていうのが自分らしい物に作れていけるっていうのが、凄く面白いの一言でした。
–あれ何年前ですかね。3年は経ってますよね。
–それぐらいなりますかね。ケイキュービックできたての年ですね。
–山本紙業の山本さんに誘われたんですよね。早馬さん。
–そんな店でしたね。思い出した。2階で売ってはって、3階でトークやってたんですね。
–懐かしいですね。楽しかったですね、あのとき。
–ちょっともう出来ない熱量ですね。
–そこでエモジさんと繋がられて、ナガサワさんのお店でもオリジナルノート作りをやるようになったっていう。
–でもあの体験でいうと、女の子がウワーってなる感じでね。こんな言うたらあれですけど、おじさんが作ってるっていうね。 em>
–デルタさんも山本さんの紹介でした?
–小売り云々とかっていうところとあんまり山本さんは関係なかったんですね。最初の開拓のとこは。
–呼びました。
–それでケイキュービックって名前が出来たんですもんね。
だから梅田とかあの辺のイベントでナガサワさんとかと知り合って、こんな大きい文具店があるんや思って。まさか自分がその会社に入っていくやなんて思いもよらへんかったんで。
–第一印象とかはそんな感じでしたか。早馬さんからナガサワさんについては。
–エモジの創業前は紙問屋さん。二次卸さんですよね。
だから手配した紙が入ってる小売店さんって案外多いんですよね。だからそんなん行くことなかったですし大丈夫かなみたいな。入らしてもらってもみたいな。
だから正直お店は開けれるときに開けたらええかみたいなね、軽い考え。事務所代わり、1人でやるからマンション1室でするっていうよ りももう少ししっかりした方が信用もあるのかなと思ってやり始めたんがお店やったんで。
だから今こんな感じで、メーカーとしてFRATに出展するまで行く展開を全く考えてなかったんで、毎日戸惑いですよね。
お店があるからみなさんとお知り合いになれたりとか、そういう話がきたりとかっていうのがあるので、思ってもみなかった効果がありますけど。
基本的にずっと開けとかないといけないっていうのもあって。それができるのは凄いですね。
たまに、何か知らんけど、売り場の場所変えると売れるときってあるんですよ。
–エモジ開店当初の、最初の仕入れってどうしたんですか?今はほら、他のメーカーの物も仕入れて置いたりしてるじゃないですか。
–紙問屋さんでもあったんですか。
–古川紙工は紙屋やと思ってた。
ワークショップについて
–その辺ぐらいまでは、そういうイベントって無かったんですね。文具のレトロ風な。
今やったら、サラッとワークショップって言ってるんですけど、当時ワークショップっていう言葉も全然知らなくて。あんまり使ってなかったですよね。そういうのがあって神戸新聞社とあるイベントをするときがあったんですよ。
そのときにワークショップをやろうと。ワークショップって何ですかみたいな。物作りで、ここでちょっと物作ってもらうような感じのコンテンツなんですみたいなんで、こんなんかってなって。社内で言うてたんは今後こっちやなっていうのは出てきたかなと思います ね。ほんまに売れるん?て初めはずっと思ってました。
凄い言ったら失礼なんですけど、山本さんとこの商品でもパックに入った紙の色んなサイズの物がこんなに売れるん?て思ってました ね、うちの会社では。
別メーカーさんで一度やってたんですよ。年末とかに切れ端のああいう紙の物を昔からやってたんですけど、段々そういうの出なくなってきて、こんなん集めたら売れるんかなって思ってて。あんだけ来て頂いて、一日中女性の方が。
ナガサワ文具センターでなにかをやっていきたい、紙と筆記具との関係性を伝えたいと考えている中であのタイミング、目から鱗でしたね。こんな力があるんやっていう。絶対そこやなとは思いましたね。
うちでは尋常じゃない単価が出たんですよ。文具っていつでも買えるんで新製品といえどもそこまで単価上がらないんですけど、ああいう催事を組んだときに恐ろしい売り上げが出るんですね。
–それがイベント、体験。
–それこそナガサワさんやったら、神戸インク物語の開発者である、竹内さんが「今日はこの店にいます」とかってSNSで言って ますもんね。それめがけてお客様が来ますもんね。
小売店とメーカーの狭間での葛藤
私がいる市場開発という部署は、ナガサワオリジナルの物作りに対しても取り組むんですが、「モノ作りコト作りミチ作りヒト作り」って社内には書いてるんです。頂いた用語にはなるんですけど、「作る人と売る人と配る人」みたいなところで、作る人=メーカーにならないといけない。やっぱり小売店では出来ないことがメーカーさんやったらできるっていうのがあって。そこの発想を変えないとあかんよねっていうのはずっと思うんですね。原価にしててもそうです。
この先、今のままやったら進めへんよって。
–小売店やから出来る原価率ってありますよね。
–全然いいですよ。
高く売るのはそんなん全然違うけど、そこに価値が生まれるんであればそれなりの値段ができるんちがうのっていうのがあって。神戸タータンとかちょっと違うところもチャレンジをしていきよるんですけどね。付加価値といえばキャラクターっていうところがあるんですけど、うちはそっちじゃないので。神戸のモチーフを入れたりしてやりよるんですけど。そういう神戸から出た物を広げていくようにっていう。やっぱり神戸ってブランディング出来てるとは思うんですね。街全体が。神戸をもう1回活性化させるっていうのは凄く思うと ころで。ちょっとうちの中での違う物作りを僕自身は凄くやってみたいなと思ってます。
文具は作れて当たり前。ちょっと違う物をって、これ良く見たらナガサワやんていうのを目指したくて。僕、改めて最近伊東屋さん凄いなって思うのそこなんですよ。これ何?よく見たら伊東屋さんなんやって。これデザインカッコいい、カラーリングいい、機能もいいってなったときに、気づいたら伊東屋なんやっていうのが、一番いいことな事だなって。
僕もやっぱりそこ目指したいんですよね、物作りで。でも自社で工場持ってないんで、やっぱりお願いして物を作って頂かないといけないんですけど、その中でもアイデアだったり、企画であったり、無理をしながらもちょっとコストを抑えて作って頂いてっていうのがどれだけになるのかなっていうのが僕が今やりたいことですね。じゃないと変われへんと思うんですよ。
–工場っていう話でいうんであれば、早馬さんところは、オリジナルノートであれば手作業から始まって、さらに色んな物作りだしてるじゃないですか。
最初イベントから始めて、自社企画商品をどんどん増やしていこうとする段階。そうしようと思ったきっかけっていうのはありますか?
だから、前の会社でやってたことはほとんどないです。今になっての試行錯誤でやってることが多いですけども。失敗したなって思うのは自分しかできへんことも多いんで結局自分で自分の首絞めるみたいなところですね。注文もらったら自分が首絞めたみたいな。
–紙の糸みたいなやつとか。
何とかお年玉捻出するからって。表紙貼りもそうなんですけどね。たまに受けてくれるところもあるんですけどね。やっぱり糊使ったりなんなりがあるんで、うちでは無理って断られたりとか、やってくれるってところでも小ロットで多品種は作れない。大ロットでって。小さい8cmのメモのやつはこんな小さいのないでって言われたりしてたんで、自分とこでせなっていうのが。
–早馬さんが貼ってるんですか!マジですか。
でも今度それ専用で人をなってくると、しんどかったりするんですけどね。なかなかいらっしゃらないし、都合よくこっちからお願いして来てくれる人。恒常的にお願いするともっとロットが必要になってくるんで。だから今のスタイルになっちゃってるんですよね。
–FRATきっかけで卸売で企画がうまくいったら、ロットを作ってとかは考えてますか?
今は自分がやった分で自分の手の範囲しかできないんで。
–物の作り方みたいなところから、ちょっとメーカーになっていきたいっていうことですかね。
フラットに出るメーカーってわりと小っちゃいメーカーが多いっていうのもあって、量産で失敗して大量に在庫抱えて泣きそうになるっていう経験、みんなやっぱりしてるんですよね。よっぽどどっかの母体があってっていう感じじゃない限りは。なんにしてもそういう話って聞くし、在庫って重いじゃないですか。やっぱりバランスって凄い大事だなって思って。
自分等で手を動かしてちょっとやって売るみたいな感じの物も持っておくとバランスが凄くよくなるっていうのは、この間の暮らし市で色々話聞いてても思いましたね。やっぱり手で作れる物作ろうよって言って。イベントだけで売るような物。それが重宝される時代になってくるような気もするんですよね。
山本さんところの紙の詰め合わせセットあるでしょ。あれも社員さんがみんな1個ずつ手作りなんですよ。多分あれやから売れてると思 うんですよ。うちはそれをある程度のところまで作業所でやってもらったんです。あとの色付けをちょちょちょってやって出したら全然売れなくなったんですよね。
それまではうちのスタッフが1個ずつこうやってこうやって、半分倒れそうになりながらやってくれてたのは飛ぶようにブワーってなく なって。ほんなら一杯作ったらええやんて思って、そういう方法でやったら一杯ベースができるから、ちょちょちょってやったらすぐできるやないですか。それをバーって作ったら全然売れへんようになって。
–ええー!何かが違うのでしょうね。いっぱいあるように見えるから?
皿を最初、紙を何枚も張り子みたいに貼重ねて貼重ねて作って9個。3日徹夜して9個しか出来へんで。持って行こうと思って持って行ったら、40分で9個がなくなったんですね。
その後に何かいい方法ないかなってやるんですけど、結局今は紙粘土でぐにゃぐにゃ作るっていうのにちょっと落ち着いたんですけども、それも皿1個作るのにもの凄い時間かかるんですけども、やっぱりそれは売れる。
紙なんてほんとに1cm入ってるか入ってないかぐらいの分しかないけども、それで一応1000円で売ってるんですけども。やっぱり魂入ってたら売れんのかなみたいな。
そんな商品でも手をかけたやつはやっぱり売れるんですよね。値段が多少高くっても量産品じゃないっていうお客さんが。そういう思いとか入れれるのがね、結構メーカーさんの方がこういう物を作っていけるのかなって思いますけどね。人を使うから思いと人件費が比例していくからその時点で。
イベント売り場と定番売り場
–イベントの売り場と定番の売り場って全然違うじゃないですか。
FRATって当然ビジネスとビジネスで、イベントしてもそうですけど、やっぱり物が沢山できて定番の売り場に入ってっていうのが一番 理想は理想じゃないですか。ビジネスの規模が大きくなっていくから。
お店持ってる側として、その辺のバランスとか今後どうなっていくとかって何かイメージあったりしますか?
なので、さっき早馬さんが言われたイベント限定の部分とかお願いする身となってみては、やっぱり売上げを上げて頂いてその分集客をかけさせて頂いて、何とか少しは残るようにっていう努力をしたいなって思うんですけど。
そういう中で思うのが、早馬さんとこで言うと、うちのAさんていうお客様が、早馬さん多分お顔見られたら分かると思うんですけど、エモジさんのこと昔から大好きなんですよ。
–Aさんは、早くの段階からずっとエモジさんの追っかけやったんですよね?
–ファンなんですね。
店主、代表、開発者のキャラ立ちについて
–やりたいんですね。
ほんまはキャラ立ちしてる店主になりたいなっていうのはあります。どうやったらなれんのかなって。
–個人のキャラですよね、こればっかりはね。
–キャラ立ちさせなあかんのかなっていうのは、ナガサワさんの竹内さんの聞いてても思うとこなんですよね。ナガサワブランドでいうと竹内さんのキャラは凄い立ってますもんね。
–そうなんですよ。エモジはだから、今から何でもできそうですよね。この感じやったら。
–紙ってそんな女性に売れるって思ってました、最初。
特に紙物に対しては趣味の部分がだいぶ強くなってきてると思うんですよね。だから女性の人が多いような気がするんですよね。
もうちょっと普通のサラリーマンの兄ちゃんもノートやなんか持ってたんですけども、今は持たないじゃないですか。スマホがあるからって。
でも書く人はノート何冊も持ってたりとか、同じような付箋でも使い分けたりとかってそういうのもありますけども。こんなに女の人に売れると思わんかったんで。
売れるのは売れるのであろうとは思ってたけど、紙業界自体はどんどん売れる量は減って。まだ人間1人増える分ぐらいは何とかなるん ちゃうかみたいなんは思ったんですけどね。
–今日この収録のタイミングで日経トレンディでナガサワさんが凄い大々的に取り上げられてるというのもあって、それがさっき流れてたところだったんですよ。神戸インクがこれぐらい売れてますよとか、若い女性開拓しましたって凄い言ってて。
神戸インク前と後で、そのナガサワの商品とか客層とかって変わったりとかあります。
かさねて、うちがご提案できる催事とかお店の中の提案に対しても僕はずっと思ってるのは、ファンになってほしい。ファン化って社内用語で言うんですけど、ナガサワさんいっつも面白そうなこと考えてんなみたいな、お客さんからそう思ってもらえるような期待をずっと持ってもらうっていうのもあって。そごサワとかのネーミングもそうですし、お客さんからこんなネーミングでよう通るなって、ちょっとふざけた感じのあるっていう。どっちかっていうと元々ナガサワって堅いイメージがあって。高級品も取り扱ってて、ちょっと小上がり上がった感じがするんですけど。
やっぱり変えていかないとって現場で思うところもあったんかなっていうのはありまして。
色って凄く反応するっていう。お客さんの言葉で思うと癒されるっていう表現になりますね。
でもインクはほんまに使うの大変ですよね。万年筆は色んなインクを入れてるんですけど、ボールペンで書いてる文字と万年筆でシャーっと書く。あとで読み返すとやっぱり違うんですね。
意識をせずにちゃんと集中して書けて、話を聞きながら書けるっていうところもあったりするんで。一時期のブームと比べると多分4、5年前がトップやったと思うんですけど、それから比べると半分にはなってるんですけど、うちとしても代名詞となった神戸インク っていうものを今後どういう風に広げていけるかっていうのは凄く思うところですね。
ちょっと違うことにチャレンジしたい。書くっていうこともそうですし、色を使ったものっていうのもチャレンジしていきたいなっていうのはちょっと思ってますね。
–神戸インク物語は10周年になるんですか。
30番台になったときからビューって上がってるんですよね。ピークはほんまにすごかった。各店舗のストッカーが満タンに入ってて外国の 方がバックパック2個持ってて、これに入れるだけ売って下さいっていう、そんな時代でした。うちも免税とかやってなかったんで、デューティーフリーみたいな、OK、OKみたいな。ブワーって売れてましたね。
去年の台南ペンショーで販売した時、外国でいうと3回目なんですけど、ワシントンとロスでも売ったので。ポロシャツに神戸インクって書いとるんですけど、それを見たときにみんなよく来てくれたって。そこはありがたいなと思いまし た。待ってましたって言われたときは。
–北野のお店の名前も神戸インク物語ですもんね。
本人も講演会で言うとほんまに在庫めちゃくちゃあったので。でも作り続けないとメーカー様って「一過性で終わったんじゃない?」って感じてしまうとこもあったので。沢山在庫持ってました。
–そんな状況なら、ふつうに考えたら社内では敵だらけみたいな状況ですよね、サラリーマンですもんね。
–それこそ小売店やぞ、メーカーちゃうんやぞみたいなとこも絶対ありますよね、意識として。
ほんだら、その1000円ぐらいの本を買ったら万年筆ついてるけど中国製やからインク出えへんのですよ。ほんだら、ペンクリニックやっ てるところにみんな押しかけて来て、全部ラピタのペンの調整するんです。ほんで、どうだって言ったらむっちゃ書きやすくなるんですよ。そらそうじゃないですか。先生が一生懸命やってくれるわけですから。
そっから当時15年ぐらい前の万年筆の売上げがギューンと上がりましたね。もの凄い買いましたね。ダイアリーでいうとミスドのダイアリーのような、もうちょっと小さい規模の第一世代みたいな万年筆の上がり方しましたね。
–それは、筆記具メーカーがラピタと仕掛けたっていうわけじゃないんですね?
–カッコいいんちゃうぐらいだったかもしれないんですね。
–ペンクリニックの先生方はどんな心境だったんでしょうね。
–でも業界の発展のためにはっていうにやろうけど、でもしんどいですね。
あんな高い1600円とか2300円とかの高級ノートが取り合いのタイミングがあって、またこうなってきて今度国産メーカーさんの普及ノ ートがまたきたりして。
やっぱり書くもの、万年筆だけじゃなくてカラーペンとかああいう物がどんどんメーカーさんが開発していくにつれて、ちょっと100均 も底打ったっていうのがありましたね。
150円、200円で価値ある物買った方がいいんじゃないっていうのが、やっぱりオフィスの中でも生まれてきて。
ここで100円のノート商談に出しますかみたいな。もうちょっと出せないですよねみたいな。例えばキャンパスノートとか、今でも絶対安くて良い物なんですけども、ちょっともう商談では出せんよねみたいな。売り場自身もそうなってきましたよね。そうしたらコクヨさんはさすがで、大人キャンパスとかシステミックとか出てくるんですけど、色んなタイミングで色んなカテゴリーのメーカーさんがパーソナルな方に振って頂いたっていうのが凄く思うところではありましたね。
–相手の会社の商品を1つ使うとしたらなんでしょうか?
作り手の熱量を、小売店としてどう使い手に伝えるか
–ぼつぼつしめながらというところでいきたいんですけど。
FRATって基本的にビジネス展示会っていうところでいくので、小売店の方とか卸の方に自分達の商品を卸してもらいたい売ってもらい たいみたいなところを主なテーマでいくんですけど、我々も答えが出せないところがあって。
さっきのイベントじゃないですけど自分達の企画したもの。ある程度数が出る物じゃないと卸価格に合わなかったりするんで、そういう中でどう熱量を伝えていければいいのかなとか、どういう自分達の思いが最終お店からユーザーさん、使ってくれる人に伝わるにはどういう思いを伝えていきたいのかっていうところはどうお考えですか?
使う人にとってどういう風に使ってもらいたいかとかそういう感じですかね。
最終エンドユーザーさんが、うちであろうが、どこであろうが変わらないと思ってるんですね。それなりの価値の商品を作ってると思うんですよ。一般にいけば、国産インクって400円からあるんですよね、ボトルでいえば。小さいですけど、十分ですよ。
なぜ1800円の神戸インクを買って頂けるのかっていうところもありますし、海外のお客様でいうと万年筆っていうものがなぜこんなに 小売店で買って頂けるのか。例えば細部の部分にこだわるとか、ですね。
でも何かこういう物って欲しいよねって思わないと。それやったら、エンドユーザーさん、さっき早馬さんが言われたように何か詰めるだけの作業って何か見たら売れへんていう匂いなのかっていうのは感じとれてしまうんかなって思うところはありますね。
何となくなんですけど、木ノ本が今、紙製品を一生懸命作ってもろたり、女性に喜んでもらえる商品に彼女が関心が高いので一生懸命作ってもらうんですけど。トレンドっていうものを意識をして色んな展示会に一杯行った方がいいよっていうのが、紙、筆記用具だけじゃなくて、雑貨もそうですし、全然違う物。ペットでもいいよっていう部分も見てきて感じとってきて。なかったらなかったでいいやんていうのもあるんですけど、これだけ沢山あったら色んな物も入れていかないと次ないんやって思うところです。
–ボリュームゾーン狙いたいっていうのは大事ですよね。その観点は絶対いるなと思ってます。
別にそんなにイベントを選びたいとか大それたことを言うわけではなくて、ただ今これ以上増やせないなっていうのは正直なとこで。うちノート作ってるじゃないですか。あれ誰がやってもいいってわけじゃなくて、ノートが作れないと出せないんで、どうしても人間に限りが。
お店もやっぱりずっとイベントがあっても開けたりしてるんで、人材的なところで限界があるので、そこ以外の可能な範囲であればいいのかなとは思いますね。
お店の方にも来てもらえる。そこのイベントから発生してうちの方にも来てもらえるとか、神戸の方に来て頂いた方がうちのお店に来てもらったりとか、阪神さん、阪急さんとか来られた方が来てくれるっていうのがやっぱりあったりするんで宣伝というかそれも含めて。
次、ほんとに良い商品やったんで、うちでも取り扱いさせてほしいってお願いをして、お願いしますみたいな感じやったんですけど。どんどん色んなところでメジャーになってくれればなって風には思って。そういうのをうちのステージで使ってもらったら、またどっか色んなバイヤーさんも見てて、また色んなお話しがつながると思うけどみたいなお話をしてたんで。
共に楽しくやっていきたいとは思うんですけど、そういうところでご商売がうまいこといければなって多分に思うところで、色んなオファーを投げてるじゃないですか、うちも。それが受けられる方にとっては、凄い悩むところではあるんですけど、あれもこれも何社も同じようなテーマを持ってっていうものが最近凄く多くなってきて、メーカーさんのお立場でいうとどうなんかなって思うところもあってきたりしてきてるんですけど。
–その先にどういう物作りができるとか、どういうお客様とつながっていけるのかとか難しいですよね。
FRATに関してもこういう話を現場でぜひ色んな形で出来たらいいなって思ってるんですけど。どう最終ユーザーに届けていくのかと か、当然実店舗がありイベントがあり、その次にどうしていくみたいな、絶対みんな同じような課題を抱えていると思って。そこをさっ くばらんに話せるような場になれたらっていうときに、やっぱりお2人共店舗やってらっしゃるんで、店舗やってらっしゃって色んなア プローチで来てる方が卸すっていうことを目的として、凄く我々としても面白いし展示会として見ても面白いと思うんですよ。
こんな立場の人が来てこんなことしてくれる。そういう意味で出て下さるの凄いありがたいと思いますし、ぜひ一緒に楽しく難しい話を出来ればと思ってます。